ぶっ飛び主婦のK塾Eコース ちょっと、無理めの受講レポ
はたして世界的コンペティターは”ぶしゅ”を救えるか!?
・・・ってゆーか、“ぶしゅ”は最後まで続けられるのか?・・・ 
その1(月1連載 6回まで連載・・・できたらいいね


2003年11月上旬  〜開講前の冗談の日々〜

始まる前からこんなに冗談ネタでもりあげていいのかな?ホントは真面目な塾じゃないのかな?世界的コンペティターK氏からフライト技術を教えてもらうのに、おちゃらけた”ぶしゅ”がネタ拾い目的で混じって許されるの?他の受講生はきっと真摯でレベルの高い人ばかりなんだろうな。コースについていけなかったら足ひっぱちゃうかも。と、申し込んでから少し後悔してたのですが、K塾メーリングリストが始まって、バリオは2個用意とか無線のバッテリー切れ厳禁とかゼッケン貼れとかノート用意しろとか、次々と”入塾”準備の指示がはいってきて、おちゃらけで申し込んだぶしゅとしては、”ちょ、ちょっとマジ?”気分です。
そうこうするうち受講生のグライダー機種申告がメールで始まり、予想通りノマドとかバルカンとかやる気のある機体申告ばっかで、F1リーグにオアシスで出てたOさんまで2クラスの機体ひっぱり出してくるし、追い打ちをかけるようにコース後半でタスクを組む(!)などというお知らせもきてしまいました。土俵では、塾長が竹刀もちだすだの、ハーネスぶら下がりの刑だの怖いネタで遊んでいたのですが、だんだん冗談気分ではなくなってきて、ついに開講の日をむかえてしまいます。


2003年11月22・23日   第1回
    テーマ1.ハーネス・セッティングと体重移動
       2.内翼のコントロール,外翼のコントロール



開講の朝

その日の朝、8時過ぎからスカ朝ショップは賑っていました。塾生だけでなく朝霧初めての団体ビジターさんや3連休の渋滞を警戒し早めにきた常連さんまで、いつもの3倍くらいの人でショップの中は満杯状態。スタッフはスタッフでなにやら忙しくなりそうな1日の段取りにあわただしく、『塾』の初日はにぎにぎしく始まります。

集まったメンバーは20数人。欠席者が数名。朝霧で見知った顔が約1/3、あとはF1組、他関東近郊のフライヤー。『あれっ、あの人も塾入ったんだ』てな意外な人もいましたね。なんだかみんな上手そうな人ばっかりです。ぶっ飛び暦10年のぶしゅTは、最近ちょっとマシになったというもののまだまだ自信がないので、すぐにひいてまいます。みんな開講初日ということで気合入った顔してます。遊び気分のネタ拾い目的で参加して、ちょっとお呼びじゃないなんてことにならなきゃいいけど。しかしそこは、技術のなさををコミュニケーションでカバーしてしまうぶしゅの特技で、
(たんに人が多いと嬉しくってテンションあがるだけ?)「どこのエリアの方ですか」攻撃をしかけまくり、朝からお遊びモード全開で緊張感を誤魔化します。ビジターも含めて30人超の大人数で猪ノ頭の安全講習会を受け、いよいよ塾長の登場。K塾初日がスタートしました。


力量試しの最初のフライト
今日は北西風が強い予報だったので、たぶんノーフライトか、あっても夕方軽く1本、でなきゃ終日講習会場で立ち上げか?!
(うっ!初っ端から最も避けたいパターン!)と思っていたら、あら不思議、これぞ朝霧マジックで、結構よさげなコンディションになってきました。そうなりゃ飛ばずにはいられないフライヤー達。塾長も前置きだけで、エリアに移動の指示をします。だいたい塾のある日に飛べるとは限らないんだから当然といえば当然、猪の頭エリアへ急ぎます。今日は、初日だから力量を見極めるってことで、ゼッケンを貼ったらフリーフライトのつもりで好きに飛んでいいらしいのです。といっても、集合場所は西富士トップ。Tはぶしゅと言っても朝霧暦10年なので、パターンを知り尽くしている西富士くらいは、行けるのです。(ふふふっ、でも出来るのはそこまでなのさっ)20数人の受講生は、コンディションをみつつ牽制ムード。ダミーがあげるのを待つ姿勢。塾長が余計なことを言ったので(「この人(ぶしゅT)がジモピーなので云々・・・」)みんなのダミー出ろ出ろ視線が痛いっ!です。隣のエリアも含め、知った機体がそこそこステイできてきたので、視線に後押しされてテイクオフします。

まだ、渋いけど待てば何とかなりそうです。でもだんだん混んできて、まわし切れないもどかしさ。トンボは大会やってるし、WKはビジターいっぱい。猪の頭エリアはジモピー同士の無言のルールを知らない初顔がたくさんいると非常に飛びにくくなるんです。
「Tさんどう?あがりそう?」と塾長。
なんで私を公式ダミーにするかなぁ!もっとマシなの他にいるじゃんと思いつつも、そこは大人ぶしゅの外面で
「えー、あがると思いますけど、混んでて難しいです」と答えておきます。
今日は得意の右回しなので、上がろうが下がろうが気にせず、あてずっぽうに回していたら、渡り廊下行きサーマルをGET。ところが廊下はまだ完全に南になりきっていなくて荒れてます!おーっと!!ARTAX君が大潰れしてくれました。でもさすがに1−2クラス、なす術もなくみているだけでも直ります。しかし気弱なぶしゅは、やばそうな場所は一気に退散です。前山に戻ってベストポジションをキープしじっと待ちます。7分経過。もう1回きました。今度は本物、使えます。かなり良質です。プラ2〜3前後でちゃんと西富士まで繋がってます。あ〜、右回しクルクルの快感!

西富士に着くとは、北西風はどこへやら、穏やかに気持ちよ〜く上がって、ついに2000mオーバー。こんなにイイ感じなのに前山は激シブらしく後続隊は上がってきません。一緒に抜けたのは地元塾生とF1常連のMさんだけです。よく考えたら、これってここで待機ってことだよね?えーっ!、2000もあるのに毛無に行けないのぉ〜。でも塾の初回から要注意人物のレッテルを貼られてしまうのも避けたいので(もう貼られてるって?)おとなしく、西富士-鉄塔間をうろうろしますが、なぜか上がるのは西富士だけ。今日は西富士限定販売日なんだな、でもこういう日に待つのはつらいです。

そうこうするうち雲底は下がるし、寒いし、あっちこっちからくる雲をよけよけしなくちゃで結構メンドイ状況に。あーっっ!、もういいや、ぶしゅの辞書に『忍耐』の文字はない、だめもとで鉄塔超えちゃえーと、根拠レスで鉄塔へ向かうと一人くっ付いてくる塾生が。『まずい、もしかして私の行動を勝算有りと勘違いしてるのかもしれない』と思いつつも、まさか無線で『ゼッケン17はやけになって飛んでいるだけなので着いてこないでください』とは言えず、放って置いたら行った先はシンクだらけ。あっという間に西富士復活は手遅れの高度になってしまったので、前山に戻ってお茶を濁して降ろします。あらら、ただのフリーフライトになっちゃいました。その間に後続隊を指導してきた塾長は、激シブの前山を一人ぬけだし、我慢強く待っていた西富士組と合流し、さくっと天子往復。でも今日抜けられたのは地元組プラス数名の少数で、人数が揃わなかったためか本格的空中講習には至らずじまいでした。


エンドレス・ハーネス・チェック
スケジュールでは12時には降りて、講習会場の予定でしたが、みんなの前山脱出に時間がかかったため、残りの時間は講義&ハーネス調整となりました。
(やったラッキー!グラハンなしだっ)今日のお題は、旋回半径を小さくすることの有効さとその方法について。塾生にノートをとらせて、丁寧に確認しながら講義はすすみます。小一時間も座学をやったところで、シュミレーターを使ったハーネス調整実技です。
20数人のハーネスを1個1個ぶら下げて、乗せて調整して体重移動させてみて、フォームを修正指導して。これって聞いてる塾生も大変だけど、やってる塾長はもっと大変。いくらハーネス調整マニアとはいえよくやるなぁー、なんて感心しながらも、Tは後半は飽きて遊んでたのでした。気がつくと外は真っ暗。


夜も熱血!
そして、夜はアサギリスト定番『風の湯』経由『ロッジ泊』。懇親会をかねた夕食は7時スタート予定。しかし、Eコースの勝手きままな20数人が思惑通り動くはずもなく、焼肉パーティーが始まったのは8時前にはなっていたでしょうか。正直な感想を言えば、Eコースの仕切りはモノすごく困難だと思います。なんせ真剣に学びにきた人・急成長中でやる気の若者・塾長の出身エリアの先輩フライヤー・地元のお気楽ひやかし参加・Tのようなお遊び参加などなど、参加目的や参加姿勢やモチベーションがぜんぜん違います。そのうえ力量もJリーガーレベルからF1常連組、F1必ずリフライト組、そして”ぶしゅ”までと幅広く、これはこのあとどういう展開になるのでしょうか!?ちなみに、今日、前山脱出が果たせず、リフライトした塾生たちは早くも自らを『リフライト組』と呼び始め、20数名の差はわずか半日でくっきりです。いろんなレベルの期待とやる気を背負って、がんばれ塾長!と思わず応援したくなったのでした。

さて、夕食が終わってもまだまだ『塾』は終わりません。塾長夫人がみんなのテイクオフをビデオ撮影してくださったのをみながら、塾長のコメントを聞きます。みんな“座るのが早い”だの“クロスで上げたのに振り返ってから見上げるな”、とかそれなりにキビシーコメントをいただきました。夜遅くまで続く熱血講義に、ロッジのオーナー夫妻も感心していたそうです。部屋に引っ込んでからも、塾長の話はまだ続きます。小さく回すにはどうするか。一般フライヤーに可能なテクから、良い子のフライヤーには教えちゃいけない秘儀・昇竜拳なる必殺裏技
(これがなんだか気になるでしょ?でも知らなくても大丈夫、フツーの人には絶対できませんから)まで、ホントか嘘かよくわかんないお話までしていただきました。

ハードな1日だったので、塾長を見送った塾生たちは、酒もほとんど飲まずに明日に備えて就寝です。おやすみなさい。なんと塾は明日も8時半集合です。






小さく回そう練習フライト
翌朝、7時には揃って朝ごはんをしっかり食べます。早く行ってハーネスシュミレーターで体重移動の練習するとか言ってる熱心な人もいました。はやくも塾長の熱血がうつってしまったのでしょうか。今日は、朝から期待大のコンディションです。でも、猪の頭の超混みが予想されます。昨日、前山抜けられなかった人たちは大丈夫でしょうか?混んでるのに慣れてないとちょっとつらい感じです。

今朝も熱い塾長「今日はフリーフライトじゃありません、昨日教えたようにいかに小さく回すかの練習です。稜線走るのが目的じゃありませんから、そこをしっかり意識して飛んでください」という旨だけ話すと、とっととエリアに移動します。
でも、なんだか少し雲が張ってきちゃいました。朝いちはあんなにバンバンの予感だったのに。Tは操作が雑なので、はっきりサーマルが好きでヨワッちいサーマルは捕まえられません。しかも今日は、ほとんど出来ない左回し。いつもなら白糸エリアに逃げるところですが、
(だからいつまでも出来ないんですよね、そうです、わかってるんです自分でも)今日はそういうわけにいきません。昨日、上空で待機するのがつらかったのでちょっと遅めにでます。コンディションは上向きになってきて、青空も広がってきました。


前山空域は、あっという間に混んできましたが、出てみるとまだバンバンではありません。前山混雑ヨケヨケフライトは面倒なので早く抜けたいところですが、昨日にまして抜けにくく、超無理めなへぼ左回しでドジって、生まれて初めて山チンしそうになってしまいましたっ!!。K塾初回で山チンしたらこのあとどれだけ話のネタにされるかわかりません。トンボテイクオフ前で、足に木がかすりって、もはやこれまでと思われましたがギリギリセーフ。(ほっ)しかし動悸がおさまらずしばらく山から離れます。でもそれじゃやっぱり抜けられません。しかたなくいつもの山べったりラインに戻して、なんとか脱出に成功します。全体としてのコンディションは昨日よりいいのですが、サーマルトップは昨日より低く、でも稜線走るには問題ないくらいの感じです。今日は塾長も、早めにうしろへ付けて、いよいよ空中講習が始まりました。

鉄塔超えて、長者へ向かう塾長を鬼ごっこよろしく集団で追いかけます。かなりのウエイトオーバーのプロトンGTで走る塾長に、みんななかなか追いつけません。振り返ると塾生軍団がすごい数でついていきます。と思ったらなんと地元アサギリのひやかし無料聴講生が相当数混じっています。このコンディションなら朝霧のベテランさんはたいてい稜線上にいるので、塾が気になって見に来たようです。鉄塔むこうで大勢でクルクルします。夕べ教わったことを試そうとみんないろんなことをしていますので、合わせて回していてもいきなり旋回半径を変えちゃう人とかピッチアップさせちゃう人がいて、それなりに気をつけなくてはなりません。Tもそれなりに課題にトライしますが、外翼がどーとか、最適バンク角がどーとか、考え出すとただ小さく左旋回するだけだって難しいのに、あたま混線状態で、つい反対の操作をしてしまったり、ぜんぜんタイミングがあわなかったり、そのせいか思いっきりつぶして大慌てしてしまったりと一人大騒ぎです。無理目な操作をぎくしゃくするせいでしょうか、昨日からよく潰れます。


西富士−鉄塔−長者手前を何回か集団で行ったりきたりしていると、南尾根あたりが荒れてきました。丁度、疲れてきたところへ塾長から「西がかぶりはじめたので少し山から離れましょう」の警告無線がでます。これ幸いと、誰よりも早く「17番、先に降ります」コールをして前山へ帰還します。ぶしゅは逃げ足だけは速いのです。前山は穏やかなコンディションでみんな楽しげに飛んでるので
(と思ったけど、抜けられず四苦八苦していたのかも)もうちょっと遊ぶことにして久々に“超上質の便所サーマル”(うーん、この語感、ビミョー)をヒットしたので、沖に流して適当におろします。



ほんとはふけたかった講習会場

疲れました。ホントに。
あたまタコ足配線状態に加え、いつもと違うフォームで飛んでいたので身体のあちこちがきしんでます。LDにはいつもの猪の頭常連メンバーがいて、「K塾どう?」って聞いてきます。「結構、たいへんかも」としか言いようがありません。「すっごくいい」とか「上手くなりそう」とか言えるほど、受け側に余裕がないのです。正確にいうなら「習ったことが習得できれば絶対上手くなるにちがいないが、自分に習得できるかどうかは、はなはだ怪しい」といったところでしょうか。それでも、今のフライトの感想とかを降りてぺちゃくちゃしゃべりまくっていたら昼ごはんを食べ損ねてしまい、
グラハン講義をパスしようかと話しているところへ折しも塾長が降りてきて、「なにっ!ふける?破門じゃ〜」と5%くらいの本気混じりで言うので、ふけるのは諦め講習会場へ移動します。


講習会場は立ち上げ練習にほど良い風が入っています。まずは普通にスラローム。といってもTはほとんどやったことがありません。次にブレイク操作に頼らないスラロームです。あんまりやりたくないので隅の方に引っ込んでいたのに、親切な朝霧の先輩フライヤーSさんが「機体貸すからやってきな」といってくれたので、トライします。しかしSさんの機体は犬とのタンデム用で大きく、スラロームにはいる前に飛んでしまいました。結局、講習機で2回トライしてなんとかブレイクもたずに走りぬけることができますが、とてもスラロームと呼べたモノではありません。3回も(ん?)講習会場走るともうへろへろです。後ろの小山ではスカ朝名物男で『立ち上げ道』道場主K氏が2時間以上もほとんど機体を落とさず修行中でした。


ぶしゅにはつらい、食わず嫌いの理論、誰かなんとかして〜
ショップに戻って座学の続きです。なんだか話が難しくなってきました。アドバースヨーとかよくわからない言葉がさもあたり前の常識みたいに話されてます。塾生のほうも難しい理系のテクニカルタームで質問してます。Tはパラがどうして飛ぶのかもホントはよくわかっていません。テレビが映る仕組みを知らなくてもテレビを楽しめるのと一緒です。塾長は紙を配って、なんかのグラフの説明をしますが、途中の解説はもうあきらめてしまいます。要は“性能のいい機体に乗ったら体重移動をちゃんとしなさい”ということらしいのですが、その理由を説明すると数値とかグラフとかがでてきて難しくなるのです。少なくとも今日の話は結論がわかっただけでも上等だと自分に言い聞かせます。今の講習生は、スクールでこの手の基礎を習うので最初から素養がありますが、Tがスクールをでたのは今から12年も前なので、ちゃんと説明されるのはほとんど初めてで、『ふーん、パラって頭良くないとできないのね』なんて思ってしまいます。
Eコース塾生の人たちはさすがに話についていってる様子で、せっせとノートにグラフ書いたりしています。きっとこういう事を毛嫌いしていたから10年もぶっ飛んでいたのに違いないと少し反省しますが、この年になるともう拒否反応が先にきてしまうので反省しつつも矯正する気はおこらず、ノートに落書きなんかしてるのでした。


ショップに通常のスクールの講習生が帰ってきました。最近スクール生が増えて夕方のショップは賑やかです。教室をスクール生と交代して、今日の講習会場ビデオをみながらまたまた塾長のチェックが入ります。塾長は空でも地上でもよくしゃべります。今回立ち上げミスの多かったU君は、「ちゃんと練習しときなさい」とか言われてました。そうです。K塾は月1回ですが、その間に課題をだされてしまうこともあるのです。ちなみに座学の方では全員に宿題がでましたが、Tには考えてもなんの答えも思いつかないことがわかっていたので、あとで『ぶ主連』イチの(唯一の?)理論派・B8君に聞いてみようーと思うのでした。ビデオチェックが終わって長く熱い第1回K塾Eコースが終了しました。2日間、お疲れ様でしたっ!


あと5回。
根性無し・体力無し・技術無し・理論食わず嫌いの“ぶしゅ”に光明が射す日はくるのでしょうか?
(ネタは十分拾えますけどね・・・)


だめおしのメール
会社で『塾』疲れを少し癒した火曜日。塾長からのEコースML。
なになに・・・『今週中に塾生各個人には出来うる限り思い出して、ワンポイントアドバイスをE−mailしたいと・・・』えーっ!平日まで追いかけてくるのか、K塾!!ターミネーター並みだね、こりゃ。塾長の熱血で部屋の温度が3度ほど上がった気がした火曜の夜でした。


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