★★★1月4日（土）★★★

スパイラルはだめよ。映画『サイン』のテーマをランディングの木陰で考える。

　

最終日。

起きると腰痛に加えて腹筋と首の筋肉痛で全身ぼろぼろ。昨日の1本で十分満足したので、今日はソロはやめておく。ちょっと残念なのは、今日のほうがコンディションが良さそうなことだけ。でも2時くらいにはマニラを発たなくてはならないし、ＸＣにでる気力も残ってない。

　

昨日に引き続きみんなは気合が入っている。田村はエディとタンデムでラストフライト。エディは山の周辺をうろうろするだけでは芸がないと思ったのか超過激スパイラルをサービスしてくれる。普段なら楽しめるのだが、身体的不調が不安要素を増加させ、すっごく怖い。「エディー、、だめー！！止めてーー」と絶叫。こんなに怖い感じって初めてだ。通常滑空に戻してからエディ「スパイラル途中でいきなり止めたらもっと怖いよ」そりゃそうだ。でもとにかく今日はだめなの。

　

テイクオフにトップランするとみんなはまだ様子見中。そろそろ出てもいい頃だ。ＸＣにでられないＭｒ．Ａは一人さくっと上げてマニラの町まで写真を撮りに飛んでいった。昨日あんなに具合悪そうだったのに最終日にまで飛んでしまうとは。

　

エディがテイクオフを見に来ていた誰かの奥さんに話をつけ、田村の下山の足を確保してくれた。ここでみんなとはお別れだ。準備にいそしむみんなに「がんばって100キロ飛んでねー、またどこかのエリアで会いましょう」と手を振って車に乗り込む。

　

ゴドフリーの家のまえで車を降りると、ぽつんと一人になった。空港まで送ってくれることになっている若いドイツ人の兄ちゃんとの待ち合わせまではまだ1時間くらいある。Ｍｒ．Ａもそのうちここに降りてくるだろう。クラブハウスの冷蔵庫からレモンドリンクを持ち出し、ハーネスブランコが吊り下がる大きな木の陰にデッキチェアを二つならべて、足を投げ出して待機。なかなか優雅な一人の時間。マニラでのフライトも終わったな。昨日の1本があって本当に良かった。よくこの状態で5時間も頑張れたな。パラにも気持ちの『溜め』が有効なのかもしれない。この6日間を振り返れば、『ぶっ飛び・ぶっ飛び・休み・休み・タンデム・70キロ』だもんね。来るときの飛行機であのショーモない映画『サイン』をやってたけど、『すべては何かのサイン（兆候）・あらゆることは偶然ではなく、次のなにかのための必然』なのかもしれない。まあ、怪我したこともそう都合よく解釈しておこう。1年以上続いたパラ熱中の日々を100キロ飛んで一区切りと思っていたけど、まだしばらくは止められそうもない。

 

 

　

　

　

Ｍｒ．Ａがマニラから帰ってきた。ランディング上空を大きく旋回し風向きを見定めて慎重なアプローチ。機体を片付けるのを手伝いに行きたいところだが、今日は勘弁してもらおう。

上空のコンディションはますます良さそうで、いい感じの雲が連なっている。みんなどこまで走っただろう。帰ってからの報告が楽しみだ。さっきまでたくさん見えたのに、ボラ山の上空にはもうあまり機影はない。
マニラは今日もＸＣ日和だ。（おわり）