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810日(金) Mヤン・田村の結構順調な初日


Mヤンと小田急線・祖師谷大蔵駅前で待ち合わせ、成田へ向かう。都内はお盆休み前の最後の金曜、しかも510日という複数渋滞要因であちこち詰まっているが、Mヤンの裏道攻撃で、予定通り成田へ到着。

今回のツアーは初日の現地案内人がいない。Mヤンと2人だけで誰の案内もなくエリアとナべちゃん家までたどり着かなくてはならない。後から来るご近所のAは2人の初日の珍道中・事件勃発を期待していた。しゃらくさい奴だ。(とMヤンは言った)が、下調べばっちりのご近所のAに比べると、現地でなんとかなる派のMヤンとの2人旅にはやはり不安が・・・。

 

成田空港は混んでいたので早めに出国手続きして、ゲートに行く。ロビーでぼけーっとしていると突然Mヤンが、
「ボーディングチケットがない!!」
と騒ぎだす。おいおい、これでご近所のA期待通りの珍道中の始まりか、と思いきやMヤン、パンツの間にチケット発見。尻ポケットに入れたつもりでパンツとウエストポーチのベルトの間に突っ込んでしまっていたらしい。(よかった)


 

9時間後、飛行機は1時間ほど遅れてシアトルタコマ空港(SeaTac)へ到着。Mヤンは出国審査で SIGHTSEEINGと一言いえばいいのに、質問の英語が聞き取れず「英語できるか?」という問いに思わず「No」と答えてひっかかり、通訳を呼ばれてしまう。後ろでみていた私は、この先の不安がましていく。

 

SeaTac空港は大きいが古い空港で、ひとごみの通路は狭く歩きにくい。おまけにカーが有料なので、けちって1台のカートに2機積んだから不安定この上なくエレベーターに乗るのもたいへんだ。レンタカーのカウンターは空港ターミナルビルの向かいの駐車場ビルで遠い。レンタカーがほとんど公共交通機関のようにメジャーな移動手段になっているのでレンタカー会社のカウンターがずらーっと並んで壮観だ。

Mヤンは自分の言いたいことは言えるが聞き取りができず、ここでまたしても英語の壁にぶち当たる。田村は実は英語圏の国に入国するのは初めてで、ネイティブのラフで早い英語に苦労する。2人がかりでなんとか手続きを終え、ようやくレンタカーに乗り込む。車はマツダのMPV。外車を期待してMヤンはちょっぴり残念そうだった。しかしさすがは車屋、一通り操作を確認すると手慣れた様子で走り出す。外はいい天

気で、雲ひとつない青空が広がる。思ったより気温は高いが、からっとしていて快適だ。

ハイウエイの標識を頼りに走って15分。当初予定していたルートと違うところで一般道に降りてしまう。Mヤンは地図より標識で走るタイプらしい。目的の町Issaquah表示にEXITレーンを選んでしまったのだ。
「やべー、出口間違えた!」
地図を調べる。一般道だがハイウエイを使うより短距離でエリアのある町
Issaquahまでいける道がある。
「大丈夫、こっちでもいけるよ」
と田村 必死のフォロー。なんといっても今日はMヤン頼り。機嫌よく走っていただかなくては。車は、緑のきれいな一般道へ出る。ドミノピザ・
マックなど見慣れたファーストフードの看板に混じってTERIYAKIの文字が目につく。後でナべちゃんに聞いたらチキン照焼き丼が流行っているらしく、あちこちにお店があるそうだ。昼過ぎなのでお昼ご飯にしたいところだがとりあえずはエリア探しを優先する。

ハイウエイを外れて15分くらいでIssaquahの町にはいる。Mヤンは勘が良くほとんど道を間違えない。突然前方に飛んでいるパラ発見。
「やったね、飛んでるよ」
これで初日のフライトは保証されたも同然。意外と順調な出だしに安堵する。ほどなくランディングに到着。エリアの名前は
Tiger t.。とても分かりやすい場所にある。平日だがフライヤーの車も10台以上は止まっている。エリアには入山チェックもフライト料金もない。(自由の国、バンザイ!)テイクオフに上がるバスに乗るとき10ドル(約1250円)払うだけだ。

 

高低差はおよそ450m。バスはぐるーーっとかなり遠回りしてテイクオフに向かう。

1時間弱かかるので待ちきれないアメリカ人はどんどん担ぎ上げコースの山の入り口へ消えていく。450mの直登コースは結構きついだろうに彼らは平気で登る。車で行った場合の歩きはほとんどない。(ああ、よかった)テイクオフからは緑に囲まれIssaquahの町と海が見渡せる。空は青く相変らず雲ひとつない。ウインドソックスは、真正面の風を受け理想的な角度ではためき、何機かの機体がお気楽ソアリング状態だ。なんのためらいもなく、Mヤンをおいてとっとトテイクオフする。あっと言う間にトップアウト。テイクオフ左手に富士山のようなMt.Rainierの白い頂が望める。

Mヤンに言わせるとこのエリアは、「富士山もどきの山も見えて、朝霧と尾上を足し2で割ったようなもんだ」そうだ。コンディションは、上がらないが下がらない午2時過ぎの白糸みたいで、ときおり小さなサーマルが混じる。狙って回すが地元のフライヤーの飛びは極めておとなしく、みんな穏やかにリッジソアリングで8の字を切っている。

結局この日は数百m上げて、1時間ほど飛んで終了。初日の慣らしとしては気持ち良く飛べて満足・満足。降りるとすでに6時をまわっている。これからなべちゃん家を探すからと急いで移動。ナべちゃんのいる町Everettへ向かい40分ほど北上する。町外れの公衆電話からなべちゃん家に電話して迎えに来てもらう。公衆電話のかけ方が分からず25セントとられたり、間違い電話したりして、10分くらい公衆電話と格闘し、なんとかなべちゃん家に繋がる。(ああ、ほんとによかった)ナベちゃんは、ちょっと体形ががっちりしたものの、いつもの律義な姿勢で登場し、「よく来たね---」と言ってくれた。

 

なべちゃん号の先導で車は、Everettの町を抜け(どうも町の反対側にいたらしい)富士五湖畔から土産物やを除いたような閑静な美しい湖畔の住宅地にはいる。湖畔道路に面した瀟洒な3階建て住宅地がなべちゃんの家のあるシルバーレイクハイツだ。

軽井沢とか白樺湖辺りにある集合別荘エリアみたいだ。
「かっこいいー、プールもあ
るしジャグジーつきだよ! 車、どこにとめてもいいの?」
さすがアメリカ。郊外型
中産階級住宅でもこの余裕。後で聞いたら家賃は、2LDKで(とっても広いLD)4-5万円だそうだ。いいねー。

 

2階の部屋のドアをナベちゃんがドアノッカーでトントン。いよいよ奥様のご登場。「いらっしゃーーい」初対面の2人を新妻・N子さんはエプロン姿で迎えてくれた。Mヤンと打ち合わせ通り最初はおとなしくお行儀良くご挨拶。なべちゃん家は外観同様、中のインテリアもアメリカっぽくかっこいい。白い木製のドアに白い壁。シンプルなデザインのラックや電気製品。ラグのかかった大きめのソファに間接照明のライト。
タ「なべちゃん、日本でもこんな家具で暮らしてた?」
ナベ「まさか、もっと汚いですよ」
タ「でもナベちゃんがそろえたんだよね?このインテリア」
M「奥さんの趣味に決まってんじゃん、新婚だし」
な「でもこのソファは最初からあったんですよ、中古で買ったって」

などととりとめのない話でなんとなく奥様とのご対面もクリアする。N子さんは、ちょっと人見知りする傾向があると聞いていたけど、全然そんな感じはしなくて、気さくでとてもフレンドリーな方のようにみえる。(それは私の一方的解釈で、N子さんは相当気を使っていたのかもしれないが・・・)

 

我々のために夕食の準備中だったらしいが、酔っぱらって忘れてしまうといけないので先に結婚祝いと宿泊のお礼代わりの手土産を渡す。N子さんには、先にリサーチしておいた日本製の万能包丁と現地の食材で作れるクッキングブック。(アメリカの包丁は使いにくいらしい)。そして2人には現地で入手困難なシアトルマリナーズのチケット。なべちゃんにはウニ煎餅。きっとこういう普通の日本のお菓子がいいんじゃないかと成田で急遽購入したのだ。

 

その後はもう当然のようになべちゃんとの結婚のいきさつや新婚生活などの話を聞きまくり、騒々しくも楽しいお夕食タイムを過ごした。3時間近く遠慮なくビールを飲み続け、すっかり酔っぱらったMヤンと就寝したのは、12時近く。時差16時間の長い長い1日がようやく終わった。


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