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8月14日(火) なべちゃん家とのお別れ、ご近所のA帰国。水位差調整水門と鮭だんだん、マウント・レーニエでヒ○シ珍しく緊張の表情

目覚めると、やはりナベちゃんは出ていった後だった。リビングで寝ていたご近所のAとヒ○シはちゃんと起きてお別れを言ったらしく、お寝坊のMヤン・田村に冷たい視線。ご近所のAは今日の昼頃の便で帰る。安全のため早めに出たいというAの希望をいれて9時頃にはなべちゃんの家に別れを告げる。N子さん、ホントにありがとう。今日の朝ご飯もおいしくいただきました。部屋、汚し放題でごめんね。気疲れさせちゃったと思うけど日本に帰ってきたら、朝霧にもきてね。こんな連中があと10倍はいるけど。(と言ったらN子さんはホンキでちょっと引いていた)

 

もうすっかりお馴染になったseatac空港でご近所のAとお別れ。飛行機の時間まで随分あるがあっさり別れ、残る3人は市内観光に向う。昨日の協議の結果、今日はフライトはやめて観光することにしていた。1日しか飛んでいないヒ○シも「もうこのエリアは見切ったぜ」と賛成してくれたので、シアトル市街からほど近いチッテンデン水門にいく。水位が違うワシントン湖と海を結ぶ運河で、船が通行する度に、水門を閉じて船を上下させる仕組みだ。水門の一部が鮭が登れるようにだんだん梯子(といより階段)になっていて、この季節はそのだんだんを鮭がたくさんのぼるという。子供の集団に混じって船の上下を見学してから鮭をみにいく。鮭の大群を期待していたが、大群というほどは登っていなかった。鮭は階段をあっという間にはねて登ってしまうので一生懸命みていないとその瞬間がみられない。船の水門のほうに戻ると、壁に阻まれうろうろしている鮭がたくさんいた。

 

天候は昨日と同じく曇り後晴れの予報。曇りというよりガスと言ったほうが適切だ。毎日こんな感じの天気なので午後晴れることは確信していた。鮭を追っかけているころには、曇りどっぷりだったが、車で走りだしたころには少し明るくなってきた。晴れを期待して次の目的地、マウント・レーニエへ向う。

 

途中Mヤンがお昼ご飯にバーガーキングに行きたいと騒ぐが、適当なところにバーガーキングがなく、やむなくJACK IN THE POTになる。なんだってバーガーキングにこだわるのかよくわからないが、このあと2日間バーガーキングと言い続けるMヤンだった。

 

マウント・レーニエ国立公園は、シアトルから車で南に約3時間。 中心はカスケード山脈最高峰4,392mのマウント・レーニエ。エリアからよくみえる富士山もどきの山だ。氷河あり滝あり湖ありで見所いっぱい。このシーズンは高山植物が一斉に咲き緑もきらきらしてとても美しい。

我々はもちろん車で回っただけだが、本格的登山の人からロッククライミング・お手軽ハイキング・ファミリーキャンプの人たちとさまざまだ。

途中の道路脇のビューポイントで氷車を停めて、氷河きらめく雄大なマウント・レーニエに見入っていると、Mヤンが携帯電話で写真をとり始めた。展望台の柵に上って携帯を手に高くかかげ自分をいれた山の風景を撮ろうとしている。と、そこいた黒人ファミリーのお父さんがネイティブイングリッシュでぺらぺらとMヤンに話しかけてきた。Mヤンは立ち往生している様子。少し離れたところにいた私は道でも聞かれているのかなと思って近づいたがどうもそうではないらしい。Mヤンの携帯を指差し「out of reception」って言ってるのかな???? んーーー。!!分かった!携帯の圏外だって教えてくれてるんだ。Mヤンが携帯を上にあげてる格好が電波を拾っているようにみえたから、ここではダメだといってるに違いない。で、我々はその親切なお父さんに「これは、カメラだ。」と説明するがお父さん府に落ちない様子。そう、携帯電話はどうみてもカメラにみえない。
「Mヤン、これはもう撮って実物見せるしかないよ」
そこでMヤン♪ピロピロリーン♪(シャッター音が電子ベルの音になっている)はいっ、これみてお父さん。ちゃんと写ってるでしょ。お母さんらしき人もやってきた。お父さん
「これ見ろよ!携帯なのにカメラだよ!」
とかなんとか驚きの表情で説明している。そこでお母さんにも。♪ピロピロリーン♪お父さん、すっかりこれが欲しくなっちゃって、「いくらだ」「どこの国の製品だ」「ネットで買えるか」と質問責め。
2万円くらいだというとその安さに驚き、さらに欲しくなったようだが、アメリカでは携帯として使えないと言ったらがっかりしていた。


車でいけるTOPには立派なビジターセンターがあり、そこで一休み。展望台や展示をみてまわる。すでに時刻は4時を回っているが、あたりはまだまだ明るい。風もなく静かな大気の中、色とりどりの高山植物が少し傾いた日差しをあびている。その向こうに氷河のマウント・レーニエが、金色を帯びた光を放ち、少しづつ翳りを帯びていく。
「今日、飛びに行くよりマウントレーニエきてよかったよな」
とMヤンが言う。

 

そろそろ山を下りよう。下りると行っても山を南西側からぐるっと回り込み北へ抜けるようなルートになっているからまた違う道なのだ。帰りのルートも深い谷や湖で景色は壮大。曲がりくねった山道がほぼまっすぐな下りになり、そろそろナショナルパークの出口かと思うも、道はひたすら続く。

長い長いどこまでも続くまっすぐなゆるい下り道。どれだけ走っても風景がかわらず、左右の森とアスファルトの道路が消失点まで続く。さすがにみんな飽きて車内は鬱々としたムード。ヒ○シがポツリとつぶやく。
「ガスもう あんまりないよ、ランプついたし」
普通だったら
10Lは残っているからまだ余裕のはず。しかしここはアメリカ。しかもナショナルパークの山の中。道は終る気配がなく、街があるような兆候は微塵も感じられない。さすがのヒ○シもマジな顔つき。
「最初の街・・かどうかわかんないけど
Green Waterってところがある。でもあとどのくらいか見当がつかない」
とMヤン。我々はまともな地図も持ち合わせてはいない。走るだけ走らすしかなく、緊張感あふれた単調なドライブが続く。ああ、この順調なツアーも最後の最後にガス欠立ち往生でヒッチハイクという大ネタがついてしまうのか?(ちなみにヒッチハイクは法律で禁止されてます)

 

どのくらいたったかわからいが、森の中にいきなりカフェのような店が左右にでてきた。左は営業していないが右の方は人の気配がある。とにかく山の真っ只中で止まるより同じ立ち往生するんでも電話のあるところのほうががいい。車をとめてガソリンスタンドまでどれくらいの距離なのかを聞いてみることにする。少し空いているお勝手口のようなところから飛び込み、
「すみません、このへんにガソリンスタンドないでしょうか!?」
と聞く。するとお店の女性も居合わせた客も笑いながら
「すぐそこ、すぐそこ」
とくだりの方向を指す。それを信じて
100mも行くと、ありました。待ちに待ったガソリンスタンド。きっとさっきのお店にはこういう慌てものが何人も切迫した表情で飛び込んでくるに違いない。さっきの笑いはそういう意味だ。給油が終って一安心。ヒ○シもようやくいつもの表情。道はまだまだ市街へでない。ここで給油できてホントによかった。

さっきの店の手前あたりにはGreen Waterって看板があったが、あの町はあれだけだったのだ。宿付きカフェとガソリンスタンドと雑貨屋。まるで初期のRPGの小さな村のようだ。宿と教会と道具屋。そこで主人公はパワーを回復し、再び冒険の旅にでる。「町」の必須条件なのだ。

 

ようやくまともな町に入った。飲食店もありそうだし町が大きそうだ。最初に目に付いたモーテル・キングスロッジ。今日はここに泊まる。適当に選択した割にはまともな宿で中庭にプールもついていい感じだ。最初エキストラベッドをいれて3人で一部屋と思っていたが、エキストラベッドはいれられないらしく、シングルとツインの部屋を割り当てられた。一人5000円?6000円くらい。久々にシングルの部屋なので、服脱ぎ散らかして裸でごろごろする。こういう開放感はとてもいい。もう7時を過ぎているのに中庭プールでビキニのお姉ちゃんが盛り上がっている声が聞こえる。Mヤンはこの旅行中、水着のお姉ちゃんと巨乳と巨尻に目が行きっぱなし。さっきも中庭プールにお姉ちゃんを見に行こうぜとヒ○シを誘っていた。

 

バスタイム休憩のあと、ホテルと同じ敷地にある道沿いのカフェレストランに夕食にいく。田舎の昔ながらの飲み屋兼レストラン兼カフェといった趣で、どんなものがでてくるのかちょっと心配だったが、まともなシェフサラダ(ただし巨大で高カロリーであることはいうまでもない)をいただく。Mヤンは「オレ、軽いものでいい」とタコスを頼んだら特大ドンブリのようなタコス製容器に入った特盛サラダがでてきてもうたいへん。

 

さて、この夜は、ヒ○シ’S ナイト。夕食のビール一本でほろ酔い加減のヒ○シは、過去の悪行三昧、女遍歴、などなどをしゃべりまくり、Mヤンを喜ばせた。ヒ○シのばか話で夜は大いに盛り上がったが、ふと我に返りしゃべりすぎてしまったことを後悔するヒ○シ。この夜聞いたことはここだけの話にして!というので、田村からはばらさないことを約束。ばれたらMヤンがばらしたと思ってね。



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