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6月27日〔月)  強風のノートケッテ&インスブルック散策。ホフバー氏自宅訪問


今日も教会の鐘で目が覚める。窓を開けるとフルプメスの村と山が朝日に映えて美しい。と、優雅な気分に浸りたいところだが、「ねえ、風強いみたい」の一言でその気分もふっとぶ。むむっ、ほんと強そうだ。朝からこれじゃ厳しいね。昨日と同じく下で朝食。昨日は食べられなかったシリアルに挑戦。何かの種の乾燥したものや雑穀っぽいものなど、日本では見たことのないようなシリアルがたくさんある。ミルクをかけて食べるとしゃりしゃり、ぱりぱり口の中が騒がしい。中台さんの提案でとりあえずプロデザイン社へ行って、気象情報を確認.してから山へいくことにする。

ホテル・ドナホフからの眺め。すぐ裏がランディング。理想的ロケーション!


プロデザイン社はインスブルックの町外れにあり、ここから車で2-30分程。プロデザイン社に着くと、なんか今日はだめみたいという暗い気分もどこへやら。玄関で写真を撮ったりショップの商品を片っ端からながめたりとなんだか楽しい。中台さんはホフバー氏とひとしきりイ仕事の話を終えると作業現場にみんなを呼んで、プロデサイン社の作業の説明をしてくれた。ラインの長さを一本一本チェックする機械やテンションをかける機械などなど。たいそう手間暇のかかる作業である。大好きなチャレコンもここでこうやって作られてきたんだと思うと嬉しくなる。説明が終わるとみんな好き勝手にあちこちみてまわり、いじりまわす。中にはごみ箱をあさる奴もいて(作業場のごみ箱の中には半端なラインやクロスの端切れなどがいっぱいなのだ)あきれたスタッフに「そんなんじゃなくてこれやるから、もって行け」とちゃんとしたラインをもらってしまった。(私ももらった)ホフバー氏の社長室兼ミーティングルームにもお邪魔し、社長のデスクにすわり記念撮影。ブロデザイン社の中は、なかなかおしゃれで趣味がいい。掃除も行き届いているしファイリングなんかもすごくきちんとしている。日本のパラショップとはえらい違いである。

お宝いっぱい?の作業場で記念撮影 プロデザイン社長席です! ハーネスで遊んでいるガッツ


プロデザイン社見学がひと通り終わってしまい、今日はどこへいってもフライトは無理だとの判断がくだったのでエリアの下見もかねてノートケッテへ観光に行くことにする。
ノートケッテはインスブルックの町を見下ろす巨大連峰で、冬はスキーもできる観光エリアである。街からの高度は約2000mくらいだろうか、非常にスケールの大きい険しい表情をみせる岩山である。街を抜けてイン川のほとりの駅からケーブルカー、ゴンドラ等を3つものりついで山頂に着く。10m近くもある強風で鈴木さん以外のメンバーはウインドブレ−カ一を着こむ。(鈴木さんの温度感覚は並みではない。彼一人丁シャツでとおした)二つ目の駅でおりて少し歩く。中台さん・鈴木さんがテイクオフの説明をしてくれる。それにしてもすごい眺めだ、蔑すぎる。「グライダー担いでなくて気が楽だよ」と鈴木さんがいう。それだけ緊張を強いられるエリアなのだ。滞在中に飛ぶのかな?と思いながら説明を聞いていた私は、まさか翌日飛ぶハメになるとは思ってもみなかった。下山途中のカフェでお昼を食べて・インスブルックの市内観光に向かう。お昼のメニュは大体単価7〜800円くらい。スパゲンティーミートソース、シュニッツェルパーガー(牛のカツのバーガー)、パンとソーセージとポテト等々。今日のスープというのが素朴な野菜の味わいで美味。「ここではグーラッソュスープというのが名物で、うまい」と中台さんが教えてくれたが、彼自身は香辛料が体質に合わないので食べられないそうだ。大ざっぱな性格の割にデリケートな一面もあるらしい。実はこのときの昼食は、10人のメンバーがリフトに乗りこむ時ふたつに別れてしまった関係で、別々のカフェでとったのだが、先に下へいったグループはもっと豪勢なものを食べていたことを後から知る。



ノートケッテ山頂からインスブルックを望む

ノートケッテの岩の一部と化す鈴木さん

中台『あれがテイクオフだ!』えーっ!ちょっと強風過ぎません?!

ノートケッテのテイクオフ
『おいおい、まじでここ飛ぶのかぁ?』

昼食が済んで全員そろったところで道に停めた車に戻ると、なんと駐車違反の張り紙が!でも罰金はたいしたことはない。数干円くらいのものだ。気を取り直し、インスブルックの街にでる。といっても、そろそろ夕方が近いのでお店が閉まり始めるころだ。インスブルックの観光の中心地『黄金の小屋根』でいったん解散し、それぞれインスブルックの街に消えて行く。この辺りは観光客が非常に多く、繁華街であるが、治安もよく道路もきれいで、やばそうな雰囲気などかけらもない。日本を出る前、治安のことを心配していたのがばかみたいだ。もっともそれはヨーロッパでは特殊なことで、中台さんに言わせるとここほど安全なところはないそうだ。私は村松さんとお目当てのマクドナルドに行くことにした。さすが世界のマック、オーストリアの地方都市にもちやんと存在する。(ちなみに郊外にはトイザラスもあった)会社の友人に「おみやげいらないからマクドナルドのトレイに敷いてあるベーパーもってきてよ」と頼まれていたのだ。世の中には変わった人もいるものである。インスブルックのマックは看板こそ少し控え目に出しているものの、後はほとんど日本と同じである。グリーンサラダがあるのとアイスクリームの容器が違うくらいのものだ。値段もほぼ日本なみでコーラとオレンシジュースとポテトMで500円ちょっと。これはインスブルックの他の物価から考えると少々高めのような気もする。マックで目的を果たした我々は次にスーパーヘいった。もともとブランドものや観光土産の店なんかよりスーパーの方に興味があっのだ。さっそくケージを押しながら店内を一周。売り場の構成は日本とまあ似たようなものだが、乾物やインスタントものに変わった物がおおい。クノールのコーナーは日本の倍ほどの種類があってスープの素以外にスパゲッティーソースの素も数多い。インスタントデザートのコーナー(日本でいうところのフルーチェやゼリーの素のコーナー)にはホイップクリーム系のものの種類が豊富である。こっちの人はクリームがとっても好きみたいだ。私も一つ買って帰ったがドイツ語のレシピが読めないで家に置いたままだ。ミネラルウオーターを買って集合場所の『黄金の小屋根』に戻るとみんないてお茶をしたり八百屋でかった果物をかじったりしていた。さて、まだみんなお腹もすいていないし、お店は閉まった後なので行くところもないし、ということで、あつかましくもホフバ一氏の自宅に遊びに行くことになった。


ホフバー氏の自宅はインスブルックの街の中心から車で5分くらいの高台にある。彼はまだ仕事から帰っていなかったが素敵な奥様(といってもまだ若い、30才前後か)が、ずうずうしい東洋人10人を気持ちよくむかえてくださった。ホフバー氏のご自宅はオフィスにもまして素敵だった。白と濃いブルーで統一されたリビングはインテリア雑誌の見本のようだし、ハンガーかけひとつ、テーブルライトひとつみても趣味のよさがうかがえる。キッチンに日本土産だろうか招き猫がおいてあるのが御愛敬だ。この家にはホフパー夫妻と小学生の息子さんと赤ちゃん(性別不明)とホフバー氏のお父さんがいらっしゃる。小学生の息子さんはちょっとシャイな性格らしく、一人もくもくとテレビゲームをやっている。子ども好きの(本人が子どもなだけか?)石松さんはなんとか彼と友達になりたいと一時間近くも頑張り、打ち解ける事に成功したようだ。インスブルックを一望するベランダで談笑していると、ホフバー氏もほどなく帰宅され、明日は大丈夫だろうという。私たちは明日に希望をつなぎホフパ邸をあとにする。


そろをろお腹もすいてきたので(何ともう夜の9時近い、ここでは7時でもまだ十分明るく、本格的に暗くなるのは9時過ぎてからなのだ)。インスブルックの街にもどり夕食タイム。中台さんおすすめのリバーサイドのガーデンレストランだ。ここがまた超素敵で、それほど堅苦しくもないけど居酒屋ほどはくだけていない感じのお酒落な店だ。メニュが多く、みんな選ぶのに苦労する。いや、一番苦労したのは中台さんで、彼はスープからサラダ、メインまでメニューの解説を延々とやってくれた。「ねえ、ねえ、中台さん、このフューリンクなんとかってのは何?」「え、こっちのはどんなの?」…ツアコンというのは忍耐のいる商売である。10分以上も大騒ぎしてやっとオーダーすることができた。ここではスープがとびつきりおいしく、特にガーリッククリームスープは絶品でおかわりしたくなるほど!オニオングラタンスープもボリュームがあり過ぎることを除けば◎。メインはウインナシュニッツル、子牛のステーキ、等の肉料理で味つけは日本人にも違和感なくおいしい。肉も大きいが、付け合せの野菜とフライドポテトの量がこれまた多く、主食がいらないほどである。大満足のお腹をかかえてホテルに帰りついた時には、11時をかるく越えてた。すると、なんとホテルの入口が閉まっているのである。正面玄関も脇の小さな扉もガッチリ鍵がかかっている。ノックしても大声で叫んでも物音一つしない。しかたがないので、公衆電話まで走り電話する。が、これも扉の向こうでかすかなベルがむなしく響くだけ。困ったぞ、今日は車で夜あかしか、と途方にくれていると、辻さんらしき人影が扉の脇の刷りガラスの向こうに映る。どこからか入りこんだらしい。これで扉が開くぞと皆ほっとしたが、日本と違って中からでも鍵がないとだめなのだ。(これは客室も同じで面倒だった)扉を開けるのは諦め、全員で辻さんが入った窓から侵入することにする。ホテルの側面でちょうどダイニングの一角にあたる所だ。みつかったらみっともないことになるな、と思うがちょっとした冒険気分も味わえワクワクしながら窓を這い上がる。中は真っ暗で足もとがおぼつかないが、なんとかフロントまでたどりつく。ルームキーを勝手に拝借し、モれぞれ部屋へ。
ノーフライトなのに一番疲れた一日だった。それにしても、フロントの人は、10人の東洋人がどうやって入ったのか不思議に思わなかったのだろうか?


【本日の出費】  ノートケッテ・ケーブル乗り場でコーラ200円、トイレ使用料 20円、ノートケッテ往復券2500円、昼食(バン、ソーセージ、スープ、アップルザフト)900円、ノートケッテのカフェでお茶300円、マクドナルド500円、スーパーでお買物 水120円.(1.5リットル)その他600円、夕食(オニオンスープ、シュニュッツェル、ビール等)1800円、
計6940円

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